「スロートレーニング」って聞いたことあります?
「聞いたことあるけど、詳しくは知らない。ゆっくりやるトレーニング?」
って感じの方が大多数なんじゃないかと思います。
僕も最初はそんな風に思っていました。ゆっくりやるトレーニングでしょって
思ってましたね。
間違いではないんです、確かにスロートレーニングって読んで字のごとく、
ゆっくりやるトレーニングなんですよ。
漠然と分かっているつもりのままだと実際に取り入れようと思っても
やり方が分からないですよね。
それじゃもったいないですからね。
スロートレーニングって実際どうなのか、検証してみましょう。
こんにちは、50歳からの筋トレパーソナルサポーター
よういちろう
です。
このブログでは、中高年のための充実した健康的な生き方を
筋トレパーソナルサポーターの立場からお伝えしていきます。
このブログが、あなたの健康な体、より豊かな人生を作るための
きっかけになれば幸いです。
今回のテーマは
『スロートレーニングってどうなの?』
です。
「スロートレーニング」
聞いたことはあるけど、正直詳しくは分からないという方のために
スロートレーニングを一から検証してみましょう。
スロートレーニングとは?
スロートレーニングとは、まさに読んで字のごとくです。
スロートレーニングは、ゆっくりと動作し、体に力を入れたまま行う
レジスタンス運動の一つの方法です。
レジスタンス運動とは、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を
繰り返す運動のことです。
いわゆる「筋トレ」全般がこれにあたります。
「ゆっくりと動作し、体に力を入れたまま行う」ということが
スロートレーニングのポイントであり、
これを「筋発揮張力維持法」というそうです。
筋発揮張力維持法については、
空気椅子をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
何もない所で椅子に座ったような姿勢をとる空気椅子では、
その姿勢を維持するために終始体に力が入り続けています。
スロートレーニングはこの空気椅子に座ったような体の状態で
ゆっくりと動作を繰り返すものです。
スロートレーニングの動作を行うスピードの目安は
「3~5秒かけて上げて、3~5秒かけて下げる」
というものが広く知られています。
筋トレをやっている人は感覚的に分かると思いますが、
けっこうゆっくりな動作になりますから、かなりきついんですよね。
スロートレーニングのメリットは?
スロートレーニングのメリットは代表的なもので3つあります。
1.軽い負荷で高い効果が得られる
スロートレーニングは、比較的軽い負荷の運動でも
筋力増強の高い効果を得ることができます。
軽い負荷でも高い効果を得られる理由は、
筋肉が力を加えられることで血流を制限し、
低酸素状態をつくり出すためです。
低酸素状態は筋肉を肥大させる刺激になると考えられており、
このような状態を維持して、ゆっくりと行うスロートレーニングは、
軽い負荷で高い効果を得ることができるのです。
また低酸素状態の筋肉内には乳酸が多量に蓄積します。
この乳酸は成長ホルモンの分泌を促し、
成長ホルモンは筋肉量を増やして中性脂肪を分解します。
そのためスロートレーニングはダイエット効果をもたらすといえるわけです。
その他にも成長ホルモンには、以下のような作用があります。
・骨を成長させる、骨の量を保つ
・筋肉量を増大させる
・脂肪分解し、体脂肪を減少させる
・免疫機能を促進させる
40代、50代の方は加齢とともに成長ホルモンの分泌は少なくなってしまうため、
スロートレーニングで成長ホルモンの分泌を促すことをおすすめします。
2.関節や筋肉への負荷が小さい
スロートレーニングは関節や筋肉への負荷が小さく、
けがのリスクが低いレジスタンス運動です。
筋力増強を目的とするレジスタンス運動で効果を得るためには、
通常最大筋力の65%の負荷が必要とされています。
そのため、自体重を使って行うトレーニングで
筋肉増強の効果を上げるのは難しいと思われていたのです。
しかし、スロートレーニングであれば、
最大筋力の30〜50%程度でも普通の速さで行う
高強度トレーニングと同じような効果を得ることが可能です。
若い方を対象とした研究では、
最大筋力の50%の負荷で膝を伸ばすトレーニングを
3ヶ月続けたところ、約6%の筋肥大と約15%の筋力向上が見られ、
最大筋力の80%の高強度のトレーニングとほとんど変わらない効果だと
報告されています。
また高齢者を対象とした研究でも、
最大筋力の30%の負荷で同じような効果が見られています。
自体重程度の小さい負荷で行える運動法であるため、
スロートレーニングは中高年向けのレジスタンス運動として適しています。
3.血圧の上昇を軽減できる
スロートレーニングは急な動作がないため、
重い負荷のトレーニングと比べると運動時の血圧の上昇を軽減できます。
ただし、一般的に運動を行うと一時は血圧が上昇してしまいます。
呼吸を止めることも血圧の上昇につながりますので、
呼吸を止めての運動は注意が必要です。
トレーニング中の呼吸は
負荷を上げるときに吐き、負荷を下げるときに吸うことが基本です。
特に高血圧を気にされている方は、
まずはストレッチと有酸素運動から始め、
慣れてきたらスロートレーニングなどの
軽いトレーニングを取り入れると良いでしょう。
スロートレーニングは運動時の血圧上昇を軽減することは可能ですが、
負荷が軽いため明らかな高血圧の改善ができるわけではありません。
血圧を下げる効果を望む場合は、
スロートレーニングに加えて有酸素運動も取り組むことをおすすめします。
またスロートレーニングと有酸素運動の両方を取り組むことで
「サルコペニア」を予防する効果も期待できるそうです。
サルコペニアが進行している場合にも、
スロートレーニングによって進行の程度を抑えることは可能です。
軽い負荷ながらも高い効果を得られるスロートレーニングを
積極的に行っていきたいですね。
スロートレーニングのおすすめメニュー
ここで紹介するトレーニングメニューも体に力を入れたまま、
ゆっくりと動作を行って呼吸は止めないというポイントを
押さえて取り組んでみてくださいね。
基本動作は、回数1セット10回程度で、
3〜5秒かけて負荷を上げるように動作を行います。
① スロースクワット
スロースクワットは体のなかで最も大きな筋肉である
太ももの筋肉(大腿四頭筋など)を鍛えることができます。
大きな筋肉を鍛えると基礎代謝を上げる効果が期待できますよ。
通常のスクワットと同じ動作で、上記基本動作通りにやってみてください。
② スローヒップリフト
お尻全体を覆う筋肉を中心として、
腰周りや太ももの筋肉を鍛えることができます。
腸腰筋(上半身と下半身をつなぐ筋肉)を伸ばす動きでもあります。
通常のヒップリフトと同じ動作で、上記基本動作通りにやってみてください。
③ スロープッシュアップ
腕立て伏せです。通常と同じ動作で行いますが、
ポイントは肘を伸ばし切らないようにゆっくり上げることと、
肘を曲げ切らないようにゆっくりと下げることです。
まとめ
ここまでご紹介してきましたスロートレーニングですが、
どのメニューにも共通する注意点があります。
・筋肉の緊張を緩めない
簡単に言うと力を入れっぱなしって感じですね。
・関節を伸ばし切らない
肘や膝などの関節を伸ばし切らず、曲げ切らず動作を行うことです。
スロートレーニングについて全体的にまとめてみると、
スロートレーニングとは、力を入れた状態を維持し、
ゆっくりとした動作で行うトレーニング方法のことです。
スロートレーニングは、軽い負荷で高い効果を得ることができ、
けがのリスクが低く、運動時の血圧の上昇も軽減できる
といったメリットがあります。
トレーニングは1セットにつき10回程度、
3〜5秒かけて負荷を上げるように動作を行います。
また目に見える効果を得るためには、
1日2〜3セットのトレーニングを週に2〜3回の頻度で行い、
3カ月継続することを目標に行うと良いでしょう。
スロートレーニングのポイントは筋肉の緊張を緩めずに、
疲れを感じる程度に行うことです。
筋肉の疲労を長引かせないためにも、
運動後はストレッチを行うことを習慣化してくださいね。
最後に総括ですが、スロートレーニングは、
40代、50代はもちろん60歳以上の高齢者にも適したトレーニングと言えるでしょう。
また、実際にやってみると強度も感じますので、
筋肥大にも有効なんじゃないかというのが僕の感想です。
ぜひ一度試してみてください。
そのうえでご自身で判断することをおすすめしますよ。
それでは、また。