教える側、教わる側の落とし穴

第1章:はじめに
「できる側の落とし穴」?
いきなり言われても何の話だろう?と思われたかもしれませんね。
これはですね、僕らは何か新しいことを始めるときって、できることなら誰かに教わりたいと思いますよね?
それも「どうせ教わるなら一流の人に教わりたいな」と思いませんか?
例えば、例えばですけどね、大谷翔平選手に野球を教われるとしたら教わりたいですよね。
今や世界一の野球選手と言っても過言ではありませんからね。どれだけ上達するんだろうとワクワクしちゃいますよね。
サッカーだったらメッシ選手ですかね。
教わるなんておこがましいって思っちゃいますけどね。
とまあ、こんな風に夢を見るじゃないですか?
世界一の選手に教わったら自分でもかなりのレベルになれるんじゃないかって。
ところがですね、物事はそんなに単純じゃないんですね。
僕らはつい世界一の選手に教われば、自分も世界一とは言わないまでも、周りの連中よりは頭一つ、二つ抜け出るんじゃないかと思っちゃうんですね。
現実はそうならないんです。
第2章:トッププロのコーチでも素人には最高じゃない
これちょっと古い例えなんですけど、ゴルフの世界一といえば、僕らの年代だとやっぱりタイガー・ウッズ選手じゃないでしょうか。
全盛期のタイガーは凄かったですもんね。
世界一と言っても異論の余地は全く無かった時代がありましたよね。
そんな世界ナンバー1のタイガーでもコーチをつけていたんです。
普通に考えたら、世界一の選手に教えることができる人なんていないんじゃないの?
って思っちゃいますよね。
なんか漫画にあるような伝説の仙人みたいな人がゴルフの世界にはいるのか?
なんて思ったりして。(さすがにこれは無いですね(笑))
世界一の選手であってもコーチが必要だということは非常に興味深いことです。
トッププロであっても、誰かに見てもらい、チェックしてもらうことが必要だということなんですよね。
世界一だからって「我流」でやっていては、それ以上成長しないってことなんでしょう。
僕らが我流でやって上手くなるわけないってことですよ。
タイガーもコーチで最も有名なコーチといえば、ブッチ・ハーモンでしょう。
ゴルフをやらない僕でも名前を聞けば「あ~、聞いたことある」ってくらいですから。
選手が超有名になれば、そのコーチも有名になりますからね。
「世界一の選手に教わっても上手くなれないなら、世界一の選手のコーチに教わればものすごく上手くなれるんじゃないの?」
ってゴルフクラブを買ったばかりの初心者は思っちゃうじゃないですか?
ところが、残念ながらそうはならないと思います。
なぜか?
タイガーとゴルフ初心者じゃあまりにもレベルが違い過ぎるからです。
ゴルフクラブを買ったばかりの初心者だったら、クラブの握り方から教えなきゃいけないわけですよ。
そんなレベルの素人に世界のトッププロのスイングを教えてできると思います?
僕は絶対に無理だと思いますね。
これはですね、教わる側もそうですけど教える側も同じなんですよ。
レベルが違い過ぎるがゆえに、言ってることが理解できないと思うんです。
これはどちら側にも言えることです。
そう、どちらも「ちんぷんかんぷん」になっちゃうんですよ。
第3章:「ちんぷんかんぷん」が積み重なるとどうなるか
教える側にしてみれば「これもできないのか」「もっと噛み砕こう」と繰り返す地獄のループに陥っちゃうんですね。
教わる側に何も積み上がらないどころか「自分はダメなんだ」という感情だけが残ってしまうんです。
これは教える側だけでなく、教わる側にとっても苦しい「双方向の落とし穴」にはまってしまうんです。
どちらにとっても最悪の結果を迎えることになってしまいます
そして何が残るかと言うと、「あ、自分はダメなんだ」という自己否定だけが残ってしまうんです。
その結果、自信を喪失してしまって、続けられなくなるケースだってあります。
この手の話の多くが「教わる側」の視点で語られることが多いものですが、実は「教える側」にとっても悲劇だということを理解してほしいですね。
教わる側だけじゃなく、教える側も「自己否定」だけが残ってしまうものなんです。
それだけコーチ選びというのは安易に考えるべきものじゃないんですね。

第4章:じゃ、誰に教わればいいの?
「じゃ誰に教わればいいの?」って思ったと思います。
それはですね、答えから言うと「自分よりちょっと前を歩いている人」です。
初心者の自分よりもちょっと前を歩いている人です。
その人も最近まで自分と同じ立ち位置いたわけですから、分かるんですね。
「ああ、俺もこれくらいのとき同じところでつまずいたんだよなあ。」
って。
まだ残っているんですね、初心者の頃の記憶が。
だから、より具体的に覚えている、経験しているから、具体的なアドバイスができるんです。
仕事でもそうじゃないですか。
大学を卒業したての新入社員の教育係って入社2、3年目の若手社員がやることが多いですよね。
いきなり部長クラスが教育するなんて、まずありません。
同じことなんですよ。
社会人になりたての新入社員が「0」だとすると、2、3年目の「0.1」の若手が教えるから、0→0.1に成長できるんです。
0からいっきに10にはなれませんからね。
ついていけませんから。
僕も高校でラグビーを始めた時も、ずぶのド素人でしたから、3年生なんかはるか上の存在でしたからね。
いきなり3年生に教わってたらついていけなかったかもしれません。
そこは、やっぱり2年生に教わったから理解できたし、ついていけたんだと思うんです。
そういうことなんだと思います。
まず第一に自分の現在地を知ること、そしてその現在地に近い、ちょっと前を歩いている人から教わるのがベターだと思います。
教わる方も理解しやすいし、教える方も復習になるのでより理解を深めることになりますから、双方にとってメリットがあるわけです。
第5章:まとめ
世界トップレベルのコーチが今の自分にとって最適なコーチではないということです。
「最高=最適」ではないんです。
有名無名は関係ありません、自分よりもちょっと前を歩いている人が最適なんです。
つまり、「今の自分の現在地との距離間が大事」ということですね。
これを知っているかどうかで失敗を減らすことができます。
「自分よりちょっと前を言っている人が、あなたの今の現在地を一番よくわかる」
このことを忘れずに頭に入れておいてくださいね。
それでは、また!