
僕らは何事に対しても、努力ややる気が重要なことだと信じている。
特に昭和の時代を生きてきた50代以上の年代にとっては当たり前の感覚ではないだろうか。
昭和の時代と言えば、漫画やテレビドラマでもスポ根ものが流行り、実際の部活動でも今では考えられない練習をやっていた。
当時、中学や高校でスポーツ部に入っていた人ならおそらく全員が経験したと思われる。
練習中は水を飲んではいけない。
今のように水分補給が当たり前ではなかったですよね、水の一滴も飲んじゃダメだと言われていました。
まったくもって科学的な根拠なんて一切無かったんです。
きついことに耐えれば強くなる、そんな風潮がまかり通っていましたからね。
スポーツですから、もちろんメンタル面も重要ではあると思うんですが、今思うと異常でしたね。
あとは、理不尽な上下関係もそうです。
これもですね、上下関係があるのは当然なんですが、理不尽過ぎることが多過ぎましたね。
上級生の言うことは絶対でしたから。下級生が反論するなんてあり得ない世界でしたからね。
さらに、その異常な上下関係には体罰というか、〇力もありましたから。
指導とかそんなものではありませんでしたよね。
今思うと、よくもまあそんな時代で続けられたなあと思います。
テレビでもそういう世界が当たり前、いや当たり前以上に美徳として描かれていましたから。
実際に部活とかでスポーツをしていない人なんかは、テレビの影響でスポーツマンは根性があって、努力家で、精神力もある素晴らしい人間ばかりの素晴らしい環境だ、なんて本気で思ってたんじゃないでしょうか?
いやいやいやいや、逆逆!
正確の悪い先輩がどれだけいたか、強いチームほど嫌な奴が多いんじゃないかって思ってましたからね。
このままだと話が脱線し過ぎて戻って来れなくなっちゃうんで、そろそろ軌道修正しますね。
ま、そんな感じで日本人というのは、昭和以前から精神性に重きを置く国民性だった言えます。
で、その精神性を重んじる風潮が良い方向に出ることの方が多いんですけども、少しいびつな形になって出てくることもある訳ですね。
さっきの部活の話なんかもそうです。
環境なんて関係ない、根性、努力でなんとかなるんだ、って考え方です。
今この時代でもいまだに根強く残っているんじゃないでしょうか。
それは、スポーツ、部活に限らず、教育やビジネスの世界においてもいまだに生きていると思います。
ところがですね、科学が進歩して新しい研究結果が発表されることで、努力や根性のような精神論よりも重要な要素があるということが分かってきたんです。
昭和の根性論ど真ん中を生きてきた50代以上の方にとっては、目からウロコ!の話かもしれませんが、ぜひ最後まで読んでみてください。
努力ややる気はいらない

僕たちはよく「努力すれば報われる」「やる気があれば何でもできる」といった精神論を耳にします。
しかし、現実を冷静に見つめてみると、人生の成否を左右するのは個人の意志力や才能だけではありません。
むしろ、僕たちを取り巻く「仕組み」こそが、人生の方向性を大きく決定づけているのです。
仕組みとは何か

ここでいう「仕組み」とは、僕たちの行動や選択を自然に導く環境や構造のことです。
これには以下のようなものが含まれます:
環境的な仕組み
- 生まれ育った家庭環境
- 教育システム
- 住んでいる地域の文化や価値観
- 職場の組織文化
社会的な仕組み
- 経済システム
- 法制度
- 社会保障制度
- メディアや情報環境
個人的な仕組み
- 日常のルーティン
- 人間関係のネットワーク
- 学習や成長の習慣
- 健康管理の方法
なぜ仕組みが重要なのか

1. 意志力は有限である
心理学の研究によると、人間の意志力は筋肉のように疲労するものです。
一日中意志力に頼って行動することは不可能であり、疲れた時には楽な選択をしてしまいがちです。
しかし、良い仕組みがあれば、意志力に頼らずとも望ましい行動を継続できます。
例えば、健康的な生活を送りたい人が冷蔵庫に野菜しか入れていなければ、疲れて帰宅した時でも自然と健康的な食事をすることになります。
これは意志力ではなく、環境の仕組みによる成果です。
2. 小さな積み重ねが大きな差を生む
日々の小さな行動の積み重ねが、長期的には大きな結果の差となって現れます。
この積み重ねを支えるのが仕組みです。
読書習慣を例に取ると、「毎日本を読もう」と決意するだけでは続きません。
しかし、枕元に本を置く、通勤電車では必ずスマートフォンではなく本を開く、といった仕組みを作ることで、自然と読書が習慣化されます。
3. 選択の質を向上させる
僕たちは一日に数万回の選択をしていると言われますが、すべてを意識的に判断することは不可能です。
良い仕組みがあることで、重要ではない選択は自動化し、本当に大切な決断にエネルギーを集中できます。
成功する人の仕組み作り

成功している人々を観察すると、彼らは共通して優れた仕組みを持っています。
時間管理の仕組み
- 一定の起床・就寝時間
- 優先順位の明確化
- 集中できる環境の整備
- 定期的な振り返りの時間
学習と成長の仕組み
- 継続的な学習計画
- メンターやコーチとの関係
- フィードバックを得る機会の確保
- 失敗から学ぶ文化
人間関係の仕組み
- 定期的な人とのつながり
- 多様な価値観に触れる機会
- 協力し合えるネットワーク
- 建設的な議論ができる環境
仕組みを変える方法

1. 現状の仕組みを把握する
まず、自分を取り巻く現在の仕組みを客観的に分析しましょう。
どのような環境にいて、どのような習慣があり、どのような人々と関わっているかを書き出してみてください。
2. 理想の状態を明確にする
どのような人生を送りたいか、どのような結果を得たいかを具体的に描きます。
そして、その理想を実現するためにはどのような仕組みが必要かを考えます。
3. 小さな変化から始める
大きな変化は続きません。
まずは一つの小さな仕組みから変えていきましょう。
例えば、朝の30分を読書時間にする、週に1回は新しい人と話す機会を作る、といった具合です。
4. 環境を整える
行動を支える物理的・社会的環境を整えることが重要です。
デスクを整理する、健康的な食材を買い置きする、成長意欲の高い人々とのつながりを作る、などが含まれます。
5. 継続的な改善
仕組みは一度作って終わりではありません。
定期的に見直し、改善を重ねることで、より効果的な仕組みに進化させていきます。
仕組み思考の落とし穴

仕組みの重要性を理解する一方で、注意すべき点もあります。
過度の最適化
効率性を追求しすぎると、創造性や柔軟性を失う可能性があります。
完璧な仕組みを求めるあまり、行動を起こさなくなってしまっては本末転倒です。
個人の主体性の軽視
仕組みに依存しすぎると、自分で考え、判断する力が弱くなる危険性があります。
仕組みは手段であり、目的ではないことを忘れてはいけません。
まとめ:仕組みを味方にする人生

人生は確かに仕組みによって大きく左右されます。
しかし、これは運命論ではありません。
むしろ、仕組みの力を理解し、意識的に良い仕組みを作り上げることで、僕たちはより充実した人生を送ることができるのです。
意志力に頼った根性論から脱却し、賢く仕組みを活用する。
これこそが現代を生きる僕たちに求められるスキルなのかもしれません。
あなたの人生を支える仕組みは何ですか?
そして、どのような仕組みを新たに作りたいですか?
今日から小さな一歩を踏み出してみませんか。
それではまた。