今やすっかり定着した感がある「プロテイン」ですが、ほんの少し前までは、「プロテインって知ってる?」と聞くと、「?」となるか、ちょっと詳しい人が、「ああ~、ボディビルダーの人たちが飲んでいるアレね!」くらいの回答が出てくる程度だったと思います。
ところが、今や空前のプロテインブームと呼んでもいいくらいに、僕たちの生活圏に溶け込んでいますよね。(プロテインだけに溶け込んでる(笑))
健康ブームという波に乗って、食事、栄養素にも注目が集まった結果、プロテインってすごいぞ、となった訳ですね。
そもそもプロテインの意味すら知らなかった人も多かったわけですからね、「プロテイン=タンパク質」つまり、タンパク質を英語で言うとプロテインなわけです。
ただ、僕らが「プロテイン」と呼んでいるのは、栄養素としてのタンパク質全般を指しているのではなくて、「プロテインパウダー」のことを言うわけですね。
ですから、ここでは「プロテイン=プロテインパウダー」ということにします。
最近では、ジムに通う本格的なトレーニー、家トレメインのトレーニー、ダイエットで筋トレをしている人、健康のために筋トレをしている人、さまざまなレベルの人がプロテインを摂取しています。
もちろん、そういう人たちは普段の食事にも気をつかっています。
タンパク質、脂質、炭水化物の細かな配分、量にもこだわっている人もいるでしょう。
では、タンパク質に限っての話ですが、やっぱり普段の食事から摂取するのが望ましいのか?
プロテインで十分なのか?食事もプロテインも両方気を配って初めて効果が出る、というものなのか?
いったいどれが正解なのでしょう?
ということで、今回はタンパク質について解説していきたいと思います。
こんにちは、50歳からの筋トレパーソナルサポーター
よういちろう
です。
このブログでは、中高年のための充実した健康的な生き方を筋トレパーソナルサポーターの立場からお伝えしていきます。
このブログが、あなたの健康な体、より豊かな人生を作るためのきっかけになれば幸いです。
今回のテーマは
『タンパク質徹底解説:理想のタンパク質摂取方法は?』
です。
タンパク質を摂る際、「食事(固形物)」から摂るのか「プロテイン」から摂るのか、どちらがいいのかよく議論になると思います。
いきなりすいませんが、結論から話しますと、タンパク質を摂取する際にはできれば「食事(固形物)」が望ましいとのことです。
よくよく考えてみたら当たり前なんですけどね。
プロテインなんてなかった時代は、食事からしか摂取できなかったわけですからね。
しかも、人間の体は食事から栄養を摂取するようにできています。
プロテインのようなパウダー状のものを主食にしていた過去はないはずです。
さまざまな食材を食すことで、あらゆる栄養素を摂取してたわけですね。
そういう歴史的に見ても、遺伝子的に見ても、人間の体は「食事(固形物)」から栄養を摂取するようにできています。
ということは、タンパク質も「食事(固形物)」から摂取するほうが良いに決まっています。
ただし、現代の食事事情も考慮してみる必要があります。
昔は自然の食材が当たり前でしたが、現代はすべての食材が自然、天然物という訳にはいきません。
加工食品、化学物質、添加物、などなど人工的な食糧が溢れかえっています。
インスタント食品、ファストフードなど子供の頃から普通に食事として摂取していますよね。
この手の食品は昔は無かったわけです。
ここまで考慮した場合、どうなの?って感じもしますが。
今回は、タンパク質の摂取は「食事(固形物)」が望ましいということで話を進めさせていただきます。
「食事(固形物)」が望ましい理由として2つあります。
①肉や魚でタンパク質を摂取する方が微量栄養素も摂取できるので、より筋肥大・筋力向上に寄与する可能性が高いというわけです。
②プロテインパウダーは手軽で便利なので食事が摂れない状況で用いるのは〇ですが、プロテインやEAA、アミノ酸の効果は過剰に宣伝されています。
それでは詳しく見ていきましょう。
フードマトリクス
フードマトリクスとは、食べ物には、タンパク質・脂質・炭水化物のマクロ栄養素だけでなく微量栄養素や、低分子化合物、ビタミン・ミネラル、カテキン、ポリフェノール、アスタキサンチンなども含んでおり、その栄養素が相互作用を与えて消化吸収率や生体利用率が変わってくる、という考え方です。
例えば、牛乳。
成分無調整と低脂肪乳を比べてみます。
タンパク質量やカロリーを同じにしても成分無調整の牛乳の方がアミノ酸の取り込みがより促進されます。
卵にしても、全卵と卵白のみでは、タンパク質量やカロリーを同じにしても全卵のほうがタンパク質合成が大きく刺激されます。
タンパク質単体で考えない
タンパク質を摂ると考えると、1日何gといった摂取量をクリアしようとする方は多いと思います。
ですが、1日の摂取量をクリアすることだけでなく、「何から摂取するか」を考えることも大事です。
また、過剰に脂質を避けるトレーニーは、テストステロン値が下がりトレーニングの効果が下がるだけではなく、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。
脂質の摂取目安は総摂取カロリーの20~25%程度、体重×0.8~1gと言われています。
そして、フードマトリクスの考え方は、ビタミン・ミネラルにも同じことが言えます。
カルシウムサプリメント、カルシウム+ビタミンⅮ、チーズの3種類で比較したところ、骨が丈夫になり太くなったのはチーズとなりました。
この結果からビタミン・ミネラルもサプリではなく、できれば食品で摂取した方がいい場合もあることがわかります。
動物性タンパクVS植物性タンパク
プロテインとアミノ酸を比較してみましょう。
国内のほとんどのEAAの原材料は植物由来のでんぷんが多いです。
植物性タンパク質は、動物性のものよりも筋タンパク合成において不利となり、つまりは動物性たんぱく質であるホエイプロテインよりも劣っていると考えられます。
トレーニング後に同じタンパク質、カロリーの大豆プロテインと牛乳を摂取した結果、牛乳の方が筋タンパク質合成を促進したという実験があります。
フードマトリクスの観点からたんぱく源としての優先順位は
①肉や魚、卵などのリアルフード
②ホエイプロテイン
③EAA、BCAAその他サプリメントとなります。
まとめ
現代の食生活において、自然の物、天然の物だけを食材として選ぶなんてことはほぼ不可能と言ってもいいと思います。
このような状況下で、「食事(固形物)」と「プロテイン」のどちらがいいのか?というような二者択一というのはナンセンスかもしれません。
「清濁併せ吞む」という言葉もあるように、現代においては二者択一ということは難しいでしょう。
自分の生活リズムに合わせて、なるべくリアルフードで摂取するということを心がけてみてはいかがでしょうか。
それでは、また。