
『なぜ人は現状維持を選びがちなのか?その壁を乗り越える方法』
「そろそろ何か新しいことを始めたい」「今のままではいけない気がする」──そんな思いを抱えながらも、結局いつもの日常を繰り返してしまうことはありませんか?
僕もありました。
若かった頃は考えもしなかったことなんですが、ある年齢を境にこういうことを考えることが多くなりました。
その「ある年齢」とは50歳なんですね。
やっぱり50歳になると、仕事面でも新鮮味に欠けてくる頃で、大体のことは無難にこなせるじゃないですか?
ぶっちゃけ仕事に夢中になることもほぼなくなってきたんですね。
さらに、家庭でも子供も手が離れて、子育てもほぼ終了となりましたから、自分のことを優先に考えることができるようになる年齢です。
そうすると、冒頭のようなことを考えてしまうわけです。
ところが、なかなかその新しいことを始められないんですね。
なんだかんだ現状のままなんですよ。
で、やっぱりこのままじゃいかんな、ということでいろいろと調べました。
おそらく僕と同年代の50代の方には共感してもらえると思いますので、シェアさせてもらいます。
僕ら50代のサラリーマンにとって、仕事や生活のパターンはほぼ固定化され、新しい挑戦をする機会が少なくなりがちです。
しかし、「変わりたい」と思いながら現状維持を選んでしまうのは、単なる意志の弱さではなく、人間の脳の仕組みによるものなのです。
この記事では、心理学や脳科学の知見をもとに「なぜ人は現状維持を選ぶのか?」を解説し、変化を起こすための具体的な方法を紹介します。
なぜ人は無意識に現状維持を選んでしまうのか?

現状維持を選ぶ理由には、脳の省エネ機能や心理的なバイアスが関係しています。
以下の4つの視点から詳しく見ていきましょう。
1. 脳はエネルギーを節約したがる
人間の脳は「できるだけ少ないエネルギーで効率よく生きる」ように進化してきました。
- 予測誤差の最小化: 新しいことに挑戦すると、結果を予測しにくくなり、脳は多くのエネルギーを使って対応しなければなりません。一方で、慣れた行動パターンを続けるほうがエネルギー消費が少なくて済むため、無意識のうちに「いつものパターン」を選びがちなのです。
- ホームオスタシス(恒常性維持): 人間の体は、体温や血糖値を一定に保とうとするように、心理的にも「いつも通りの状態」を維持しようとします。大きな変化はストレスを生むため、本能的に回避しようとするのです。
2. 損失回避バイアスが働く
人間は「得をすること」よりも「損をしないこと」を優先する傾向があります。
これは「損失回避バイアス(Loss Aversion)」と呼ばれます。
例えば、「転職すれば年収が上がるかもしれない」と分かっていても、「もし今より悪い環境だったらどうしよう」と考えて行動をためらうことはありませんか?
脳の偏桃体(アミグダラ)は、不確実な状況に対して「危険かもしれない」と警戒信号を出し、新しい挑戦を避けるように仕向けます。
その結果、変化を恐れ、現状維持を選ぶのです。
3. 習慣と報酬の影響
習慣化された行動は、脳の「報酬系(ドーパミン系)」によって強化されます。
- 同じ行動を繰り返すと、「この行動をすると安心できる」という報酬が得られるようになります。
- 特に50代になると、仕事や日常のルーティンが固定化され、「このやり方が一番安全だ」と感じるようになり、変化が難しくなります。
4. 自己効力感と社会的な影響
「自分には無理だ」「どうせ失敗するかもしれない」と思っていると、新しい行動を起こしにくくなります。
これは「自己効力感(self-efficacy)」の低さによるものです。
また、周囲の目も影響します。
職場や家庭で「余計なことをしないほうがいい」「冒険せずに安全策をとるのが賢い」といった雰囲気があると、変化をためらうようになります。
現状維持を打破するための具体的な方法

では、どうすればこの「現状維持の壁」を乗り越えられるのでしょうか?
ここでは、実践しやすい5つの方法を紹介します。
1. 小さなステップから変化を導入する
急に大きく変えようとすると、脳は強いストレスを感じ、抵抗を生みます。
まずは小さな行動から始めてみましょう。
実践例
- 通勤路を変えてみる
- 毎日5分だけ新しいスキルを学ぶ(英語の勉強、筋トレなど)
- 週に1回、新しい趣味やアクティビティに挑戦する
これにより、「できた!」という成功体験を積み重ねることで、自己効力感が高まり、行動変容が起こりやすくなります。
2. 認知をリフレーミングする
「変化は危険」と考えるのではなく、「変化は成長のチャンス」と捉え直すことが重要です。
考え方の例
- 「失敗したらどうしよう」→「失敗しても学びがある」
- 「今のままでいいのでは?」→「このままだと衰えてしまうかもしれない」
こうした認知の切り替えを意識するだけでも、行動を起こしやすくなります。
3. ビジュアライゼーションを活用する
目標を明確にイメージすることで、脳の報酬系を刺激し、やる気を高めることができます。
やり方
- 「健康的な体になった自分」「新しいスキルを身につけた自分」を具体的に想像する
- それによって得られるメリットを思い描く
このイメージを持つことで、目標に向かって行動する意欲が高まります。
4. マインドフルネスやセルフモニタリングを行う
瞑想や深呼吸をすることで、自分の思考や感情を客観的に観察できるようになります。
実践例
- 毎朝3分間の呼吸瞑想をする
- 1日の終わりに「今日の行動で変化したこと」を振り返る
こうした習慣を取り入れると、「なぜ自分は現状維持を選んでしまうのか?」に気づきやすくなります。
5. 環境デザインを工夫する
行動を変えやすくするために、環境を整えるのも有効です。
例
- 勉強したいなら、机の上に参考書を置いておく
- 運動習慣をつけたいなら、ジムウェアをすぐ着られる場所に用意する
小さな工夫を積み重ねることで、無理なく変化を取り入れられます。
まとめ:一歩踏み出せば未来は変わる
現状維持は人間の脳の自然な働きですが、「変化しないほうがリスクになる」という視点を持つことが大切です。
最初は小さな一歩からでも、少しずつ行動を変えていけば、新しい習慣を作ることができます。
「今の自分」を変えるのに、遅すぎることはありません。
まずは、できることから始めてみませんか?
最後までお読みいただきどうもありがとうございます。
それではまた。
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