
筋トレを内発的動機で続けるための具体的な方法「やらなきゃ」から「やりたい」へ
はじめに
新しく何かを始めようとして目標を設定しても、なかなか続かない多いものです。
その最たるものがダイエットじゃないでしょうか?
毎年毎年新しいダイエット方法が出てきては消える、この繰り返しですよね。
おかしいと思いません?
必ず成功するダイエット方法があれば、毎年毎年新しいダイエット方法が出てくるわけないんです。
新しいダイエット方法が次から次に出てくるということは、ほとんどの人がダイエットに成功していないということです。
そもそも、怪しいダイエット方法だから成功しないということもあるでしょう。
しかし、中には真っ当なダイエット方法もあるわけです。
なのに成功しないというのは、続かないからというのが最大の理由なのでしょう。
ですから、考えるべきはどの方法を選択すべきか?ではなくて、どうやって続けるかを考えるべきなんです。
筋トレみたいにやることはほぼほぼ同じなのに継続できないのは、何をやるかではなく、どうやって続けるかを考えていないからだと言えます。
「筋トレを始めても続かない」
そう感じるのは意志が弱いからではありません。
実は、「動機のタイプ(内発的 or 外発的)」が関係しているんです。
ということで、今回は、「やらされ感」から抜け出し、自然に続けたくなる筋トレ習慣を作るための心理学的アプローチを紹介します。
第1章:そもそも「内発的動機」とは何か?
「内発的動機(ないはつてきどうき)」とは、自分の内側から湧き上がる「やりたい」「楽しい」「意味がある」という気持ちによって行動する動機のことを指します。
◇ 定義
心理学的には、外からの報酬や評価によらず、自分の興味・関心・価値観・好奇心によって行動を起こすことと定義されます。
◇ 例を挙げると
・筋トレをすると気分がスッキリして気持ちいいから続けている。
・新しいことを学ぶのがワクワクする。
・健康な体で家族と長く過ごしたいという想いがある。
こうした行動は、誰かに褒められるとか、お金をもらうためではなく、自分の内側の充実感や価値観によって動かされています。
◇ 対になる概念:「外発的動機」
一方で「外発的動機(がいはつてきどうき)」は、報酬・評価・罰など、外部からの刺激によって行動する動機です。
例:
・上司に褒められたいから仕事を頑張る。
・体重計の数字を減らすためにダイエットする。
・SNSで「いいね!」が欲しいから投稿する。
◇ 内発的動機が重要な理由
研究によると、内発的動機に基づく行動は以下のような特徴があります。
① 長続きしやすい(途中でやめにくい)。
② ストレスが少ない。
③ 幸福感が高い。
④ 自己成長につながる。
たとえば筋トレでも、「義務だからやる」より「体が変わるのが嬉しい」「強くなっていく感覚が楽しい」と思えると、長期的に継続できるわけです。
・まとめ
|
種類 |
動機の源 |
典型例 |
継続性 |
|
内発的動機 |
自分の興味・価値観・楽しさ |
「成長が嬉しい」「挑戦が楽しい」 |
高い |
|
外発的動機 |
他者の評価・報酬・罰 |
「褒められたい」「怒られたくない」 |
低い(短期的) |
・要約:
内発的動機とは「自分の内側から湧く興味・楽しさ・意味」に基づく行動。
外からのご褒美(外発的動機)よりも継続力・幸福感が高い。筋トレでも「目的」より「感情」が鍵になる。
第2章:筋トレを「義務」ではなく「喜び」に変える考え方
・「結果」より「プロセス」を楽しむ
筋トレの結果というと、「筋肉が大きくなった」とか「見た目が引き締まった感じがする」などですよね。
この結果を出すためには、どうしても時間がかかってしまいます。
どんな方法を選んだとしてもです。
ですから、こういった結果にフォーカスすると、結果が出るまでの間は何も進歩が無いように感じてしまうんですね。
進歩が無いと、「やってもしょうがないのかな?」とか「自分は筋トレに向いてないんじゃないか?」といった疑問を感じるようになるんです。
そうすると、今やっている筋トレが無意味なんじゃないか?と考え始めて、そのままフェードアウトしてしまうケースが多くなるんです。
では、どうしたらいいのかというと、プロセスを楽しむんです。
「腕立て伏せが1階多くできた」
「プランクが10秒長くできた」
「スクワットの2セット目が楽にできた」
というように日々の小さな達成感を楽しむんです。
これが小さな達成感を積み重ねるコツです。
つまり、やる理由を「外」ではなく、「自分の中」に見つけるということです。
「痩せなきゃ」「見た目を良くしたい」といった外的目標は悪くないが、長続きしにくい。
「体を動かすと気持ちいい」「昨日より軽く上がった」など、日々の感覚や成長に注目することで、自然にやる気が続くんです。
第3章:内発的動機を育てる3つの心理的要素(自己決定理論)
① 自律性 ―「自分で決めている感覚」
他人など周りから見てどうなのか?ではなくて、自分自身でどう感じているかに重きを置くことです。
いいのか悪いのか、楽しいか楽しくないか、すべて自分で決める感じですね。
② 有能感 ―「上達している感覚」
筋トレはやったらやった分確実に成長します。
よく言われる「筋トレは裏切らない」というのは、このことです。
ですから、筋トレは日々上達していることを感じられ、内発的動機を育てやすいことから、かなり優秀だと言えます。
③ 関係性 ―「誰かとつながっている感覚」
この感覚も内発的動機を育てる要素だと言われています。
正直言って、僕はこの感覚はあまり理解できていません。
自宅トレ派なので、基本的にというか、これまでずっと一人でやっているからです。
なので上手く解説できません。
でも、近々家の近所にジムができるんで、もしかしたらそのジムに通うかもしれません。
そしたら、関係性についても解説できるようになるかもしれませんので、そのときにあらためて解説したいと思います。
要約すると、自己決定理論によると、人が内発的に行動を続けるにはこの3要素が不可欠だということです。
筋トレで言えば、
・程度・時間を自分で選ぶ(自律性)
・成果を記録して可視化する(有能感)
・仲間やコーチと励まし合う(関係性)
これらを意識することで「やる気が自然に湧く環境」を作れるということですね。
第4章:実践!内発的動機で続ける筋トレ習慣化テクニック
・スマホに「達成記録」を残す
→正直言ってこれは人によってではないかと思います。
記録を残すことでモチベーションアップにつながる人には効果的だと言えます。
一方で、記録を残すということを作業として捉えてしまい、めんどくさいと感じるようならやらない方がいいと思います。
僕は後者なのでやっていません。
・「ごほうび」より「気分ログ」を取る
→日々の気分や感情の動きを記録することで、自分自身の心のパターンや傾向を客観的に把握できるようにする、というものです。
めんどくささを感じなければおもしろいと思います。
・筋トレ後の爽快感を言語化する
→言語化するのはかなり有効ですね。
言語化することでその感覚を再認識できるので、内発的動機が育ちやすくなります。
・習慣を「選択」ではなく「リズム」に変える
→選択は意志の力を必要としますが、リズムに変えるということは意志の力を必要とせず、習慣化しやすくなります。
モチベーションを上げるのではなく、「自然に続く仕組み」を作ることが大切です。
感情と成果の両方を意識化すると続けやすいということです。
第5章:外発的動機とうまく付き合う方法
これまで内発的動機のメリットについて解説してきましたが、外発的動機がすべて悪いというわけではありません。
外的な刺激を「きっかけ」として活かすという使い方をすることは有効だと言えます。
また、他人との比較を「競争」ではなく「刺激」と捉えるようにすれば、継続の助けになりますね。
つまり、外発的動機も一時的なブーストとして有効であり、「友人と一緒に筋トレ」「大会への参加」などは良い刺激になります。
大事なのは、外発的動機を内発的動機に変換する視点を持つことが重要になるわけです。
第6章:50代からの筋トレは「成長の喜び」を味わう旅
50代という年齢から注意しなければならないのは、
・若いころの自分と比べない。
・「できる自分」を少しずつ取り戻すことを楽しむ。
・筋トレは「自分再生のプロセス」だと認識する。
ということです。
50代の筋トレは、「過去に戻る」ためではなく「今をより良くする」ための行為です。
体力・姿勢・メンタルが整うプロセスそのものに喜びを感じられると、一生続く筋トレマインドが育ちます。
💪 筋トレと内発的動機の関係性
📊 内発的動機の種類別データ
| 動機の種類 | 継続率(%) | 満足度(10点満点) | 週間トレーニング頻度 |
|---|---|---|---|
| 楽しさ・充実感 | 87% | 8.9 | 4.2回 |
| 自己成長・達成感 | 82% | 8.5 | 4.0回 |
| 健康維持への関心 | 75% | 7.8 | 3.5回 |
| ストレス解消 | 78% | 8.2 | 3.8回 |
| 外発的動機(見た目重視) | 45% | 6.1 | 2.3回 |
📈 期間別の内発的動機スコアの変化
🎯 継続期間と動機タイプの分布
📋 内発的動機を高める要因
| 要因 | 効果度 | 説明 |
|---|---|---|
| 明確な目標設定 | ★★★★★ | 具体的で測定可能な目標が動機を維持 |
| 小さな成功体験 | ★★★★★ | 達成感が次のモチベーションに繋がる |
| コミュニティ参加 | ★★★★☆ | 仲間との交流が楽しさを増幅 |
| トレーニングの多様化 | ★★★★☆ | 飽きを防ぎ新鮮さを維持 |
| 記録・可視化 | ★★★★☆ | 進歩の実感が自己効力感を高める |
まとめ
まとめると、
・「内発的動機」はやる気よりも心の方向性が大切。
・続く人は、「筋トレそのものを楽しむ人」である。
・自分の中にある「なぜやりたいのか」を再確認しよう
ということです。
筋トレを続けるコツは、自分を責めることではなく、自分を理解することです。
どうせやるなら嫌々やるよりも楽しくやりたいものです。
どうせやるなら短期間で終わるよりも長く続けたいものです。
「義務」から「喜び」へ。
あなたの筋トレに、もう一度「意味」を吹き込みましょう。
それではまた。